東京工業大学と米国化学会（American Chemical Society、以下ACS）出版部門は、2023年1月から3年間のパイロットプロジェクトとして、電子ジャーナル転換契約^[用語1]を締結しました。日本国内においてACSとの転換契約は2例目であり、国立大学においては東工大が初めての事例です。

この契約により、東工大はACSのジャーナルの論文のオープンアクセス出版の費用負担が軽減され、より多くの論文をオープンアクセス投稿する機会を得ることができ、化学及びその関連分野における研究成果をさらに発信できます。

化学研究者にとって、ACSは成果発表のための一大プラットホームです。私も年間数報の学術論文をACSから出版していますので、今回の転換契約を大変嬉しく思っています。オープンアクセス出版に必要な費用が軽減されることで、化学を中心とした本学からの成果発表がよりいっそう活発になると期待しています。

オープンアクセスは、世界中の人々に研究成果を伝えるための有力な施策です。ACSは、最も信頼され、最も引用され、最も広く読まれている出版社の一つとして、研究の透明性、アクセスの容易さ、再現可能性の向上を推進する責任があります。このたび東京工業大学と締結した契約においても、これらが最優先事項です。

ACSと東京工業大学との契約は、高等教育機関と出版社との提携?協力を促進する、というACSのコミットメントを示すものです。